CES 2024:物理キーボード内蔵スマートフォンケースから小型AIデバイスまで、いますぐ手に入るベストガジェット25選

世界最大級の家電見本市「CES 2024」には数多くの気になるガジェットや技術が出展された。物理キーボード内蔵スマートフォンケースから小型AIデバイス、プライバシー重視の独自スマートフォンまで、会場で披露されたなかで市販された25のガジェットを紹介しよう。
CES 2024:物理キーボード内蔵スマートフォンケースから小型AIデバイスまで、いますぐ手に入るベストガジェット25選
PHOTOGRAPH: ALEX WELSH

新年が明けてから2週間ほどしか経っていないが、2024年の最新ガジェットがすでに続々と登場している。世界最大級の家電見本市「CES 2024」では、市場に投入される革新的なハイテク製品の数々を目にすることができた。

CESで発表された製品の多くは今年後半になるまで入手できないが、相当な数の製品がすでに販売されている。米国で購入か事前予約が可能な注目のデバイスを厳選し、以下に紹介しよう(ここで紹介する予約可能な製品は、1〜2カ月以内に出荷が開始される見込みだ)。

PHOTOGRAPH: ALEX WELSH

1. 「Clicks Creator Keyboard」

スマートフォンに物理キーボードが欲しいなら、「Clicks Creator Keyboard」というケースが解決策になるかもしれない。物理的なQWERTYキーボードが内蔵されており、iPhoneに対応している。

最大の特徴は、iPhoneの画面上に表示されるソフトウェアキーボードが、強制的に表示させない限り表示されなくなることだ。このため、キーボードで文字を入力する際に広々とした画面を確保できる。キーボード部分の厚みは少し増すが、バックライト付きでとてもキュートだ。

なお、MacやiPadのキーボードショートカットにも対応している。このケースはiPhone 14 Pro、iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Maxにのみ対応している。すでに米国で注文可能で、一部のモデルは2月に出荷が開始される予定だ。(Text by Brenda Stolyar)


2. 「HP Spectre x360」

HPのノートPC「HP Spectre x360」の新モデルはNPU(ニューラルプロセッシングユニット)を搭載しており、クラウドに個人データを送信することなく一部の人工知能(AI)関連の処理を実行できる。これはプライバシー保護には役立つが、バッテリーの持続時間には悪影響を及ぼすかもしれない。

バッテリーのもちをよくするために、新しいSpectre x360は解像度が2.8Kの有機ELディスプレイを搭載している。視線をそらすと画面が暗くなり、コンテンツに応じてリフレッシュレートが調整される仕組みだ。(Text by Scott Gilbertson)


3. 「Celestron Origin」

Celestronの新しい望遠鏡「Celestron Origin」は、ディスプレイを使って星などを観察する仕組みだ。6.4メガピクセルのセンサーで星をとらえ、スマートフォンなどのデバイスに画像を転送する。この望遠鏡を屋外に設置しておけば、屋内のソファでくつろぎながら天体をテレビに映し出すようなことも可能だ。(Text by Scott Gilbertson)


4. Anker「MagGo Wireless Charger(Qi2対応モデル)」

AnkerはCES 2024で多数のワイヤレス充電器を披露したが、そのほぼすべてが「Qi2」規格の認証を米国で取得している。Qi2は最新のワイヤレス充電規格だ。新たに発表された充電器は、すべて何らかの異なる機能をもっている。

「Anker MagGo Power Bank」(90ドル、日本では9,900円の予定)は容量10,000mAhのバッテリーにキックスタンドを内蔵しており、側面にはバッテリー残量がわかるディスプレイが付いている。6,600mAhの小型バージョンもあり、こちらにはディスプレイはないがスタンドが付いている。

できるだけ低価格な充電器を選びたいなら、「MagGo Wireless Charger」(22ドル、日本では3,990円の予定)をおすすめしたい。そして基本モデルともいえる「MagGo Magnetic Charging Station」の新モデル(100ドル、日本では9,900円の予定)には、前面にMagSafe、背面に3つのAC電源の差込口、2つのUSB-Cポート、2つのUSB-Aポートが備わっている。

最後に紹介するのは、アップル製品のユーザー向けの「MagGo Wireless Charging Station(15W, Foldable 3-in-1)」(110ドル、日本では14,990円の予定)。今回のCESでは個人的にもこの製品を活用しているが、Apple WatchにiPhone、AirPodsをもっているなら、旅行用のコンパクトな充電ソリューションとして最適だ。(Text by Julian Chokkattu)


PHOTOGRAPH: ALEX WELSH

5. 「Punkt. MC02」

このPunkt Tronics製のスマートフォン「Punkt. MC02」には、CES 2024で発表されたなかで最も注目すべきソフトウェアが搭載されている。AndroidベースのオープンソースOS「GrapheneOS」を基に開発された「Apostrophy OS」は、GrapheneOSに含まれるグーグルのあらゆる要素を置き換え、Androidに代わるプライバシー重視の代替OSを提供するものだ。

ユーザーのデータを収集したり販売したりしないので、このOSを使うには月額15ドルのサブスクリプション料金を支払う必要がある(初年度は無料)。MC02には6.7インチのディスプレイ、容量5,500mAhのバッテリー、6GBのRAM、64メガピクセルのメインカメラが搭載されている。すでに注文可能になっており、2月には出荷される予定だ。(Text by Julian Chokkattu)


6. Segway「Go Kart Pro 2」

セグウェイ(日本ではSegway-Ninebot)の変形可能なゴーカート「Go Kart Pro 2」は、おそらくCESで試したなかで最も楽しかったものといえるだろう(これまでセグウェイの製品について、こんなふうに軽々しく褒めたりしないのだ)。

第一形態では、小回りが利く楽しい小さなゴーカートである。最高時速26.7マイル(同約43km)で優れた加速能力をもち、曲がり角ではきれいに曲がれる。第二形態では後部を取り外すことで、小さなホバーボードのようになる。

そして最終形態として、家の中に移動させてテレビの前に停めれば、小さなレーシングシミュレーターになるのだ。ほとんどの主要なゲーム機やゲームと互換性があり、360度の触覚(ハプティック)フィードバックにも対応している。この機能に気付いたとき、CESがドリフトを学ぶ絶好の機会となったと判断した。Segway Go Kart Pro 2は、裕福な家庭の13歳の子ども、そして40歳の母親にとっても最高のおもちゃになることだろう。(Text by Adrienne So)


Photograph: Rabbit AI

7. 「rabbit R1」

フードデリバリーでホットドッグを注文したり、Uberなどでクルマを呼んだりといった退屈で平凡な作業をするために、毎回スマートフォンを取り出すのが面倒だ──。そんな人には、この可愛らしいポケットサイズのAIデバイス「rabbit r1」が必要かもしれない(あるいは単に欲しくなるかもしれない)。

このデバイスは付せんの束ほどの大きさで、タッチ式のディスプレイやボタン、カメラを備えている。用事があるときにはボタンを押して音声でコマンドを送れば、Spotifyのプレイリストに曲を追加したり、お気に入りのレストランを予約したりなど、日常生活における面倒で退屈なことを“ウサギ”がすべてこなしてくれる。

通信料金が必要になるが、このデバイスさえあれば時間とエネルギーを大幅に節約できるだろう。詳細については別の記事をチェックしてみてほしい。初回生産分は(なんと)1日で完売したが、rabbitは第2弾の予約受付を開始している。(Text by Adrienne So)


8. KOHLER「PureWash E930」

温水洗浄便座を手に入れようと考えているなら、スマートスピーカーのように操作できるものはどうだろうか。KOHLER(コーラー)の温水洗浄便座「PureWash E930」は、水温や水圧の調整から、暖房便座、温風乾燥、モーションセンサーをによる蓋の自動開閉まで、さまざまな機能を備えている。

既存のトイレに追加できるが、最も驚くべき機能は音声アシスタントとの連携だろう。アマゾンのAlexaかGoogle アシスタントを使うことで、ビデ洗浄や温風乾燥を作動させるよう指示できるのだ。付属のリモコンを使ったほうが確かに早いのだが、音声コントロールを使えば完全にハンズフリーで操作可能になる。すでに米国で予約を受け付けている。(Text by Nena Farrell)


9. Chipolo「Perfectly Imperfect CARD Spot」

Chipoloは擦れや傷を見逃さないよう真剣に取り組んでいる。その結果、これまで完璧に機能するものの美しさでは劣る多くの紛失防止タグを“不良品”として廃棄してきたのだ。

それをいま、「CARD Spot」の「Perfectly Imperfect」バージョンとして限定販売するようになった。カードはプラスチックの射出成形でつくられているので、細かい筋が入って完全に滑らかな仕上がりにならないこともある。だが、そのような“傷あり”のCARD Spotを廃棄する代わりに販売するようになったのだ。

もちろん、紛失防止タグとしての機能は正常に働き、購入すればプラスチックの廃棄を防ぐことができる。この「Perfectly Imperfect CARD Spot」は米国で発売中で、価格は35ドル(約5,000円)からとなっている。(Text by Nena Farrell)


10. Trek「Fetch+ 2」

ラスベガス郊外のレッドロックキャニオンで、トレックの電動ロングテールカーゴバイク「Fetch+ 2」に数時間かけて試乗した。コンパクトで子ども2人が座るには十分な大きさがあり、さらに後部にあるラックでバックパックを運ぶこともできる電動アシスト自転車だ。

フレームはハイドロフォーミング技術を使った合金製のローステップタイプで、バッテリーとボッシュ製の高性能モーター「Cargo Line」を搭載。スマートフォンを取り付ければ走行中に充電でき、ボッシュのアプリ「eBike Flow」からさまざまなデータを確認できる。

自動モードにすると、ペダルをこぐために必要な力がどんな地形でも一定になるように、十分なパワーをもたらしてくれる。戸惑うほどあまりに自然な感覚で、上り坂でペダルが重くならないのはなぜだろうと、何度もシフトチェンジを繰り返してしまったほどだ。(Text by Adrienne So)


11. RCA「Automatic Cat and Dog Feeder」

「RCA」ブランドのマスコットが犬のニッパーとチッパーであることを考えると、RCAがペット用ガジェット市場に進出することは理にかなっている。

ペット用の2種類の自動給餌器(フードディスペンサー)には、6ℓのドライフードが入る。アプリで食事の時間をスケジュールしたり、マニュアルで給餌したりすることが可能で、Google アシスタントやAlexaとも連携できる。

100ドル(約14,500円)の製品は解像度が1,080pのカメラを内蔵しており、80ドル(約11,600円)のモデルにはカメラは搭載されていない。このほか、1,080pのカメラを搭載した100ドルのおやつディスペンサーもあるので、夕食用のボウルをエサで満たす代わりに、おやつをあげることもできる。この3種類の自動給餌器は、1点を販売するごとにRCAが退役軍人に介助犬を提供する米国の慈善団体「K9 for Warriors」に1ドルを寄付する仕組みだ。(Text by Medea Giordano)


12. 「Smart Dog Collar」

今年のCES 2024のテーマのひとつはペットテックだった。特にペットの健康状態を把握するトラッカーが注目されている。

Invoxia Minitailzの「Smart Dog Collar」は、呼吸と心臓のバイタルサインを測定し、心房細動を検出し、行動の異常を追跡してくれる。記録されたすべてのデータはアプリがわかりやすい情報にまとめてくれるので、獣医に連絡する必要があるかどうかの判断に役立つ情報を得られるはずだ。うまくいけば、深刻な事態が発生するずっと前に気づくことができる。

さらに、ペットが迷子になった場合のためにGPSによる追跡機能も用意されている。イヌ用バージョンは本体99ドル(約14,300円)で、月額8.30ドル(約1,200円)のサブスクリプション料金が必要になる。ネコ用バージョンは3月に発売される予定だ。(Text by Medea Giordano)


13. JLab「JBuds ANC True Wireless Earbuds(第3世代)」

JLabの最新の超小型イヤフォン「JBuds ANC True Wireless Earbuds」の第3世代モデルは、その小さな形状とアクティブノイズキャンセリング(ANC)機能の搭載のみならず、60ドル(約8,700円)という低価格においても際立っている。

この第3世代モデルは、ノイズキャンセリングモードとトランスペアレンシー(外部音取り込み)モード、JLabのアプリで操作できる基本的なイコライザー機能が用意されている。ANCを使用しない場合は、1回の充電で最大9時間の再生が可能だ。

この格安イヤフォンで知られるブランドは、「ハイエンドな市場への初進出」という80ドル(約11,500円)の「JBuds Lux ANC」も披露した。ノイズキャンセリング機能を備えたオーバーイヤー型ヘッドフォンで、1回の充電で70時間の再生が可能。さらに空間オーディオに対応し、Bluetooth接続でスマートフォンやPCと同時接続できるマルチポイント接続に対応している。

このヘッドフォンは米国で予約を受け付けており、2月中旬に発送予定。イヤフォンのほうは、すでに米国では発売中だ。(Text by Ryan Waniata)


14. LG「MyView Smart Monitor(32インチ)」

モニターとテレビが兼用になるのは、いつのことだろうか。LGの新しい4K解像度の「MyView Smart Monitor」シリーズはwebOSを搭載したスマートモニターで、PCに接続せずに動画配信サービスを楽しめる。したがって、テレビとの違いがわかりづらい。

この32インチモデルはHDRに対応し、広色域で、取り外し可能なリモート会議向けのウェブカメラが付属する。ただし、リフレッシュレートは60Hzなので、ゲーマーにはもの足りないかもしれない。(Text by Ryan Waniata)


15. 「EcoFlow DELTA Pro Ultra」

家庭全体の電力を確保するためのバックアップ電源を考えているなら、EcoFlowの新モデル「EcoFlow DELTA Pro Ultra」が住居内のすべての家電製品(エアコンも含む)を動かすには十分な電力をバックアップすることを保証しよう。

ソーラーパネル、電源コンセント、あるいは外部発電機からも充電できるので、予想される停電に備えて、または単に安心のために電源を確保するさまざまな方法を選べる。容量90kWhのバッテリーは、照明や冷蔵庫など「標準的な家庭」に「必要不可欠」とされる1カ月分の電力を蓄えられるという。米国では発売中で、複数台が必要な場合は積み重ねることもできる。(Text by Nena Farrell)


16. 「Sightful Spacetop」

23年に発売されたSightfulの拡張現実(AR)ノートPC「Spacetop」を試せるのは、これまで早期購入者に限られてきた。それがこのほど、すべての消費者に門戸が開かれた。もう、誰かに招待してもらう必要はないのだ。

製品一式にはメガネとフルサイズのキーボード、それにタッチパッドが含まれている。電源を入れてメガネをかければ100インチの画面をすぐに利用可能で、そこには必要なだけのウィンドウやアプリが表示される。

少々SFめいた雰囲気だが、「あちこち移動しながら仕事したいが複数のモニターは持ち運べない」という人にとっては便利なソリューションだ。(Text by Brenda Stolyar)


17. Targus「Coastline EcoSmart Backpack」

PC用バッグで知られるTargus(ターガス)から、新たにバックパックと書類かばんが登場した。外側にはオーシャンバウンドプラスチック(OBP、海岸から30マイルの内陸部や海につながる幹線水路から回収されたプラスチックごみ)を原料とする900デニールのポリエステルを、内側には140デニールの再生PET(ポリエチレンテレフタレート)を使用している。

どちらの製品にも丈夫なノートPC用のコンパートメントが備わっており、リサイクルネオプレン製のスリングでPCをしっかりと固定する。Targusによると、バックパック「Targus Coastline EcoSmart Backpack」には69%相当の再生素材と26%相当のOBPが使用され、書類かばんではその割合はそれぞれ70%と24%だという。(Text by Medea Giordano)


18. Ilume「Dog Wellbeing Smart Suite」

次は、ペットの肥満に悩んでいる方のための製品を紹介しよう。Ilumeの「Dog Wellbeing Smart Suite」は、飼い犬の活動レベルや毎日の決まった行動を追跡し、消費すべきカロリーを正確に提案してくれる。ボウルにはリング状のライトが付いており、しかるべき量のエサを入れると閉じるようになっているので、量をはかる手間を省ける。

価格は高めだが、現在は250~300ドル(約36,000~43,000円)。3月を過ぎると正規価格の350ドル(約50,000円)になる可能性が高い。(Text by Medea Giordano)


PHOTOGRAPH: ALEX WELSH

19. Mojawa「HaptiFit Terra」

Mojawaの「HaptiFit Terra」は、一見すると標準的なエクササイズ用の骨伝導式イヤフォンに思える。だが最大の特徴は、活動トラッカーや「AIスポーツトレーナー」としても機能する点にある。音楽を聴きながら運動の状況を記録し始めると、AI機能を駆使して自分に合ったトレーニングプログラムを組むことができるのだ。

イヤフォンの準備が整ったら、心拍とペースの上限を設定できる。そしてイヤフォンの「鼓動」が頭に伝わり、ランニングの適切な速度を保てるという仕組みだ。現在は事前予約による販売となっている。(Text by Brenda Stolyar)


20. Maxi-Cosi「See Pro 360° Baby Monitor」

Maxi-Cosi(マキシコシ)の新しいベビーモニター「See Pro 360° Baby Monitor」には、カメラの上下左右への制御や手持ち式の見守りディスプレイ、内蔵された温度センサー、赤ちゃんをあやす音を出す機能、スマートフォンアプリ用の2K解像度の映像など、この手の製品に通常なら求められる機能がすべて揃っている。

一方で、標準的な製品にはない機能もある。それが、AIで赤ちゃんの泣き声を判定する「CryAssist」だ。「眠い」「空腹」「ぐずっている」「おならがたまっている」「イライラしている」といった状態を判定でき、その根拠も示してくれる。

赤ちゃんがどんな泣き方をしたのかアプリで小さなカレンダーに記録できるので、それを後から見て、お腹が空いたりぐずったりする傾向を確認することもできる。こうした優れた機能があるにもかかわらず、価格は199ドル(約29,000円)と良心的だ。(Text by Nena Farrell)


21. Satechi「SM1 Slim Mechanical Backlit Bluetooth Keyboard」

「SM1 Slim Mechanical Backlit Bluetooth Keyboard」は、周辺機器メーカーであるSatechiにとって初のメカニカルキーボードだ。テンキーレスのキーボードにファンクションキーを残した75%キーボードで、茶色のスイッチは目立たないように配置されている。

キーキャップは取り外し可能で、白いバックライトも調節できる。Bluetooth接続に対応するほか、ワイヤレスで別のデバイスに接続できる2.4GHzのUSBレシーバーを搭載した。ノートPCやタブレット端末、スマートフォンなど合計4つのデバイスを接続できる。macOS(さらにiPadOS、iOS)、Windows、Google Chromeに対応している。(Text by Brenda Stolyar)


22. Airthings「Renew Air Purifier」

空気質をモニタリングするデバイスを手がけるAirthingsにとって初の空気清浄機が「Renew Air Purifier」。微細な粒子を99.97%取り除くと謳う4層のHEPA13フィルターに加えて、脱臭・脱ガス用の高性能カーボンフィルターが付属している。

大きめの寝室用に設計されており、約49平方メートルの部屋の空気を10分以内にきれいにできるという。垂直に立てた状態や横に寝かせた状態のほか、壁にかけても使用できるのが特徴だ。

動作モードは「サイレント」(騒音を23デシベルに低減)、「オート」(センサーで空気の質を検知してファンの回転速度を最適化)、「ブースト」(最大設定でファンを1時間回転)の3つが用意されている。Airthingsのアプリを使えば、空気の質の変化を把握したり、空気清浄機を操作したり、フィルターを注文したりできる。すでに事前予約が始まっている。(Text by Brenda Stolyar)


23. オーディオテクニカ「ATH-TWX7」

「AirPods」に似たAudio-Technicaのしゃれた新型ワイヤレスイヤフォン「ATH-TWX7」には、カスタマイズ可能なノイズキャンセリング、複数の呼び出しモード、マルチポイントペアリングなどの素晴らしい機能が搭載されている。イヤーチップは2種類あり、柔軟にフィットする。おそらく最高な点は、旗艦モデル「ATH-TWX9」を大きく下回る200ドル(日本では24,200円)という価格だろう。(Text by Ryan Waniata)


24. 「Razer Blade 16」

PCゲーム関連機器で知られるRazerのノートPC「Razer Blade 14」のディスプレイは素晴らしい出来だった。最新モデル「Razer Blade 16」は、それを有機ELパネルにしたことでさらに上を行っている。無限の深みをもった黒を実現し、色彩を際立たせているのだ。

実機はまだテストできていないが、Razerのこれまでの実績を思えば大いに期待できるだろう。GPUは「GeForce RTX 4070」で16GBのメモリー、ストレージには1TBのSSDを搭載した基本モデルは、米国では3,000ドル(約43万5,000円)となる。

ゲーミングPCにさらに数十万円を投資できるなら、GPUを「RTX 4090」にアップグレードしたり、とんでもない容量のストレージとメモリーを搭載したりすることも可能だ。(Text by Eric Ravenscraft)


25. 「AWOL Vision Vanish Laser TV」

どのような方法をとろうとも、ホームシアターにおいてプロジェクターは大きな要素になる。質の高いプロジェクターには最低でも数千ドル(数十万円以上)かかり、さらに基本的なスクリーンには数百ドル(高級品であれば数千ドル)が必要になる。

そうした観点から考えると、 AWOL Visionの「AWOL Vision Vanish Laser TV」はそれほど途方もない価格とはいえないだろう。それでも、利便性のためには追加投資が必要になる。これは一体型のプロジェクターを限界まで追求したシステムなのだ。

このシステムは、超短焦点4Kレーザープロジェクター「LTV-3500」(ありがたいことに同梱されている)を設置できるスライド式の引き出し付きの専用キャビネット。100インチの電動スクリーン(1,000ドル=約14万5,000円を追加すれば巨大な120インチモデルにアップグレード可能)が付属しており、視聴時にせり上がってくる。使用しないときは再び収納すればいい。

つまり、プロジェクターをベースとしたホームシアターがひとつの箱に収まっているのだ。音声システムを外付けできるが、LTV-3500に内蔵されたスピーカーは十分に素晴らしい。(Text by Eric Ravenscraft)

WIRED US/Edit by Daisuke Takimoto)

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